「SCHWARZFUNKEN」は黒い火花という意味です。
この作品を作ったきっかけは、札幌から道東に向かう電車に乗って窓越しの風景を眺めていた印象からです。
刻々と移り変わる松林がきれいだと思い、おこがましくも動く松林図屏風をイメージしました。
作品の素材になっているのは線香花火で、イメージを反転することによって水墨画のような表現が得られます。
線香花火は、西洋花火のマグネシウムが放つ輝かしさはありませんが、火を点けると少しづつ火球が育ち、松葉と散り菊に移り変わる「間」が魅力です。
この作品は、本来の「地」としての暗闇が真っ白な雪原のようなスペースの「余白=間」となることで、時間の「間」がより印象づけられると考えました。
地下歩行空間を忙しく行き過ぎる皆さんに、ちょっと一息、はかなくも楽しい一分半の「間」の景色を提供できたらと思います。