江戸の科学者土井利位は、日本で初めて、雪の結晶を顕微鏡で見て、
雪華図説を記した人物です。
雪華は雪の結晶のことです。映像の中に登場するのは、
筆と墨で描かれた雪の結晶です。
私はこの絵に強く惹かれるのは、それが一つ一つ丁寧に描かれているからです。
雪の結晶は同じように見えて、一つとして同じものがありません。
新しいものを生み出すことは大事です。
しかし、それと同じくらい古いものを知ることも大事です。
なぜなら、新しいものは歴史の積層の中から生まれます。
札幌は一つ一つを大事にする軽やかで「ここだけ」の場所であってほしいという
願いを込めました。